いつも聞いてるラジオでちょっと前に「凄くいいらしい」という評判を聞いていたのでみたくなりました。本当は先週行こうと思ってたのですが、天候が悪くて出かける気にはならず、今日ようやく行けました。
1990年代の韓国を舞台に思春期の女の子の思いや家族との関わりを繊細に描いた人間ドラマ。
1994年のソウルが舞台なんですけど、見ていて胸が苦しくなる映画でした。
自分も同じ時期に学生だったけど、こういう状況だったらさぞツラいだろうなと。
直に映像では見せないのですが、家庭内暴力の描写が個人的には辛くてたまらなかったです。
主人公のウニ役のパク・ジフちゃんがものすごく可愛くて透明感があってステキでした。
彼女の演技を見るだけでも私は見る価値がありました。
リアルな中学生そのものでした。はぁすごい。
映画を見に行く前に、トレイラーを結構見てたので、先生とウニちゃんの物語が中心なのかなと思っていたのですが、(もちろん映画の重要な核であることは間違い無い)
友達や、家族、ボーイフレンド、後輩との関わりもじっくり描かれてます。
主人公のおうちは見ているだけで息が詰まりそうでした。自分だったら家に帰りたく無い。
印象に残ったシーンが何点かありまして。
- 親友が家族にゴルフクラブで顔を殴られる。(女の子の顔面をよく殴れるな。。。それもゴルフクラブで)
- 主人公、お兄ちゃんにビンタされ鼓膜破れる
- 主人公のお母さん、子供に「クソアマ」って罵る
- 万引きしてつかまった主人公と友達。友達が主人公のお父さんの連絡先を捕まった店の店員に教える。→釈放後、主人公が「謝れ」って言ったら逆ギレする
- 主人公のお姉さん、彼氏を家に連れ込んでお父さんにこっぴどく怒られたのに、懲りずに何回も家に連れ込む。
主人公のおうちって普通の団地で「それすぐバレるでしょ」っていう。
連れ込む方も連れ込む方だけど、行く方もよくノコノコ行くなって思ってしまう。
でその部屋には妹もいるっていう。。。自分なら行かんけどね。
- 彼氏が他の女の子と浮気するも、図々しく戻ってくる。それを受け入れる主人公
- 彼氏(医者の息子)のお母さんがデート中に現れ、息子を連れて帰る(若い男の子が親の言いなりになってて、見ているこっちはものすごく歯痒い思いをするのだけれども、逆らうと言う選択肢が無いんだろうかって思うよね。)
ってなんか「うわぁ(゚д゚lll)」
って思ったシーンばっかりだな。。。
あっ、そういえば女子校あるあるなのか知らんがちょっと百合的なものもあって「こういうのってどの国でもあるのかしら」って思っちゃいました。
劇中で北朝鮮の金日成の死去のニュースが流れたんだけど、当時リアルタイムでニュースを見てて、みんなが演技してるみたいにワンワン泣いていたのに凄く違和感を覚えたのを思い出しました。今思えば、嘘でも泣いとかないと粛清されたんだろうね。
あとこれは絶対外せないシーンなんだけど、主人公が通う漢文塾(?)の先生(主人公が心を許している数少ない存在)が
「殴られないで。殴られたときは声を上げるの。」
って彼女の顔をじっと見て話したシーンはものすごく心に残った。
こういうことを言ってくれる人って周りにいなかったんじゃ無いかな。
それまでは「黙って殴られる。逆らうともっとひどく殴られるから」って言ってたし。
この作品、キム・ボラ監督の初長編作品なんですって。初監督作品でこのクォリティっすか。。。すごいな。
映像が美しかったなぁ。柔らかい光の映像っていうかなんというか。
主人公を演じたパク・ジフちゃんは撮影当時中学2年生だったんだ。凄く演技上手い。
↑のインタビューで「1994年は「レトロ」という単語しか思い浮かばなかった。」
だって。2003年生まれだから当然か。。。